今回は、タービン発電機の進相運転に関して、具体的な計算式をもとに考察しましたので記事にします。
※考え方が間違っている可能性があり、結論が出ていないことから、混乱されるかもしれません。参考程度に読んでください
※計算式やベクトル図など、記事内容は正確性・完全性を保証するものではありません
【進相運転の目的】
まず初めに進相運転の目的は、一般財団法人電気技術者試験センターの
令和4年度電験一種二次試験 電力・管理問1の解答によると以下の通りとなる。
目 的
深夜などの軽負荷時に系統側の進み負荷が過剰となり系統電圧が上昇する。
そこで系統側で発生する過剰な無効電力を,タービン発電機の励磁電流を下げ
進相運転を行うことで吸収し,系統電圧の上昇を抑制するのが目的である。
【進相運転の考察】
CASE1 受電端に遅れ負荷が接続されている場合
系統全体の等価回路を図のように定める。
また、無効電力は遅れ側を正とし、各量の単位は単位法とする。(CASE2・3も同様)

:発電機界磁電圧(内部電圧)
:発電機端子電圧
:受電端電圧
:発電機内部リアクタンス
:送電線のリアクタンス
:負荷の有効電力
:負荷の無効電力
:負荷電流
ここで、 の大きさは
とし、
、
、
、
(遅れ)とする。
※各値の根拠はありません
受電端電圧を基準()とすると、
より、
であり、
発電機端子電圧は、となる。
絶対値をとると、
となり、両辺にを掛けると
となる。よって、
式に各値を代入すると、
、
(不適)
となり、以上の関係をベクトル図で表すと図のようになる。

次に発電機の内部電圧は、で求まり、
は、
であるため、
となる。
次に発電機の有効電力を、無効電力を
とすると(詳細な計算は割愛しますが)
は
を基準とした
の相差角である。発電機と受電端間はリアクタンス分のみで抵抗分はないため、
発電機の有効電力は負荷の有効電力に等しくであり、
式より
となり、式より発電機の無効電力は、
(遅れ)
となる。なお、は発電機と受電端間のリアクタンス分で消費される無効電力である。
CASE2 受電端に進み負荷が接続されている場合
「CASE1 受電端に遅れ負荷が接続されている場合」の条件のうち、
負荷の有効電力と無効電力のみを変更(、
(進み))した場合、
※各値の根拠はありません
受電端電圧を基準()とすると、
より、
であり、
発電機端子電圧は、となる。
絶対値をとると、
となり、両辺にを掛けると
となる。よって、
式に各値を代入すると、
、
(不適)
となり、受電端電圧が上昇する。以上の関係をベクトル図で表すと図のようになる。

CASE3 受電端に「CASE 2」と同じ値の進み負荷が接続された状態で、受電端電圧を「CASE 1」の値に維持(抑制)する場合

受電端電圧、負荷の有効電力、負荷の無効電力、発電機内部リアクタンス、送電線のリアクタンスが
(進み)
である場合、負荷電流は、
より、
であり、発電機端子電圧は、
発電機の内部電圧は、
となり、発電機内部電圧(発電機端子電圧)を下げる=進相運転?することにより、
受電端の電圧を遅れ負荷が接続された「CASE 1」の場合と同じ値に維持(抑制)できる
という理解で良いのでしょうか。

次に発電機の有効電力と無効電力
は、
であり、CASE 1と同様、は
を基準とした
の相差角で、発電機と受電端間はリアクタンス分のみで抵抗分はないため、
発電機の有効電力は負荷の有効電力に等しくである。
式より
となり、式より発電機の無効電力は、
(進み)
となる。なお、は発電機と受電端間のリアクタンス分で消費される無効電力である。
発電機は通常、遅れ無効電力を系統に供給しているが、
深夜などの軽負荷時に系統側の進み負荷が過剰となるときに
進み無効電力を供給する=進相運転?を行うことで
系統(受電端)電圧の上昇を抑制することができる。
という理解で良いのでしょうか。
【CASE 2の
と
】
発電機と受電端間のリアクタンス分で消費される無効電力は
であり、発電機の無効電力は
となる。CASE 1と比べた場合、発電機の内部電圧が低下し、発電機は進み無効電力を系統に供給していることとなり
進相運転により系統(発電機端子)電圧の上昇を抑制している。
という理解で良いのでしょうか。