二相短絡事故と距離リレーの電圧計算問題

電験一種二次試験はまさに最難関。

この二次試験は「電力・管理」と「機械・制御」の二科目であり

電力・管理は6問中4問を選択して解答、機械・制御は4問中2問を選択して解答するものです。

機械・制御は、ほとんどが計算問題(4問中2問はパワーエレクトロニクスと自動制御)ですが、

電力・管理は計算問題と論説問題があります。割合は年度によって異なりますが半々くらいでしょうか?

私は数学が得意ではないのですが、二次試験は計算問題より論説問題の方が苦手だと思います。

決して計算問題が簡単という訳ではありません。

そんな二次試験(電力・管理)について、今日は二相短絡事故の計算問題を紹介します。

この二相短絡事故は一種特有の問題かと思います。

平成15年度〜令和7年度までの出題履歴としては以下の通りとなります。

平成20年度 送電線の二相短絡事故
平成21年度 送電線の二相短絡事故
平成25年度 送電線の二相短絡事故
令和5年度  2回線送電線の母線での二相短絡故障

23年間で僅か4問の出題です(漏れがあれば申し訳ありません)

平成20年、21年は2年連続での出題、4年後の平成25年にも出題されていましたがそれ以降は全く出題されておらず

二相短絡が出題されることはないだろうと予測(傾向分析)されていた方もいたのではないでしょうか。

私も出題されることはないだろうという思いがありましたが、勉強はしていました。

そして令和5年度に一種二次試験を受験したところ、まさか二相短絡が出題されるとは!

二相短絡の問題は少し手応えがあったのですが、結果は残念でした。

次はいつ出題されるか分かりませんが、二相短絡のような難しい問題を攻略して合格できるよう頑張りたいと思います。

 

個人的に二相短絡事故の計算問題を解くために重要だと思うポイントは以下の通りです。

【大前提】故障条件を覚えておく

これは、例えば三相送電線のb、c相で二相短絡が発生した場合、

・b相とc相の電圧は等しい(Vb=Vc)

・a相の電流は0(Ia=0)

・b相の電流はc相の電流に等しい ※b相を正としたときc相は負になる(Ib=−Ic)

ドットの記載はできないため省略しています

②発電機の基本式を覚えておく

①の故障条件と発電機の基本式を使って、事故点の対称分電圧、電流を求める。

対称分電圧、電流の計算は、何度も繰り返し勉強することで身につける必要があるかと思います。

③等価回路を書く

例えば、平成21年度の問題のように77kV送電線の中間地点(変圧器TsおよびTrから等距離の地点)で二相短絡が発生した場合、

事故点から見た正相、逆相インピーダンスを求める必要がありますが、等価回路を書くことで分かりやすくなるかと思います。

ちなみに、①、②により対称分電圧、電流を求めれば分かりますが、零相電圧、電流は0となるため、等価回路は正相と逆相のみを考慮したものとなります。

④インピーダンスによる電圧降下を考慮する

こちらについても、平成21年度の問題のように77kV送電線の中間地点(変圧器TsおよびTrから等距離の地点)で二相短絡が発生した場合で、

変圧器Tsの77kV側出口に設置された距離リレーに入力される各相の電圧値を求める場合、

上記より、対称分電圧をもとに事故点の電圧を求めることとなりますが、距離リレーに入力される電圧は、

事故点の電圧に線路のインピーダンスによる電圧降下を足す必要があります。

以上、文言だけでは伝わらないかもしれませんが、勉強の参考にしていただければ幸いです。


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