先日書きました汽力発電所と原子力発電所の蒸気タービンの違いに関して
電験一種では以下のように関連問題が出題されています。
令和2年度 一次電力問2
また、二種では関連性は低いかも知れませんが
平成15年度 一次電力
で出題されており(他にもあるかもしれません)
今後も出題される可能性は十分あると思いますので、勉強しておくと良いと思います。
そこで、今日は先日の続きを書きたいと思います。
蒸気条件(高圧タービン入口の圧力・温度)、タービン各部の寸法や羽根長さの増大などがあると書きましたが、
その他に原子力発電の場合、高圧タービン入口蒸気は飽和蒸気(湿り度0.4%程度)であり
蒸気中の水分が多く、浸食防止のために湿分を減少させる必要がある。
また、熱効率の向上及び低圧タービンでの湿り度を低減させるために
高圧タービンと低圧タービンの間に、汽力発電にはない湿分分離器が設置されている。
なお、湿分分離加熱器に主蒸気を送り加熱する方式もある。
東北電力ホームページの原子力情報によると、女川原子力発電所の1号機は湿分分離器が、2、3号機は湿分分離加熱が設置されているようです。
先日の内容の通りタービン入口の蒸気圧力・温度を高くし、タービンの熱落差を大きくすることで効率を高めるということでしょうか。
加熱という点では、汽力発電の場合再熱サイクル(再熱器)がこれにあたるでしょうか。
本当に時間がいくらあっても足りないくらい勉強することがあります!