今日は蒸気タービンについてのメモです。
汽力発電所と原子力発電所は水を蒸気に変えて(その方法は異なる)蒸気タービンを使用している点は同じであるが、タービンに送られる蒸気圧力や温度などが異なる。
汽力(新鋭火力)発電所では過熱蒸気であり、蒸気圧力が24.1MPa、蒸気温度が811K(538℃)の超臨界圧であるのに対し、
原子力発電所では沸騰水形と加圧水形で異なるが、蒸気圧力が4.9〜7.1MP、蒸気温度が533〜563K(260〜290℃)の飽和蒸気(湿り度約0.4%程度)である。
一方、タービン排気圧力は、復水器の真空度が冷却水である海水の温度などによって決まるが、
どちらの場合も5.3〜4kPa(真空度720〜730mmHg)が採用されることが多く、
蒸気圧力及び温度が低い分だけ原子力タービンの熱落差が小さくなる。
熱効率の観点からは、高温高圧蒸気の採用、復水器の真空度を高くすることで熱落差(タービンで利用する熱量=仕事量?)を大きくさせることが望ましいが、
高温高圧化は経済的な面などから限界?制限?(原子力の場合は燃料棒の温度制限)があったり、
復水器の真空度が高くなりすぎると、タービン低圧部の蒸気の湿り度が増加するなどの欠点があるため、排気圧力は5.3〜4kPa程度で設計されることが多いようです。
この他にも原子力の場合は、熱落差が小さく、単位出力当たりの蒸気消費量が増加し、蒸気圧力が低いことによる体積流量の増加により、
汽力の場合と比較してタービン各部の寸法や羽根長さが増大するなどの違いもある。
内容を全て正しく理解できている訳ではありませんが、この内容は結構好きです。