今日も前日の続きで、平成21年度電験一種二次試験、タービン発電機の逆相電流に関する問題の勉強です。
問題内容と電気主任技術者試験センターの標準解答(抜粋)は以下の通りとなります。
問 題
タービン発電機に逆相電流が流れた場合,回転子に発生する現象とその影響並びに対策について述べよ。
また,タービン発電機に要求される逆相電流の制限値がどのように設定されているかを述べよ。
また,タービン発電機に要求される逆相電流の制限値がどのように設定されているかを述べよ。
解 答
(制限値の設定)
タービン発電機に要求される逆相電流の制限値は,JEC(2130-2000)において次のように規定されている。
・連続運転に対しては,定格電流に対する一定の比率
・故障状態での短時間運転に対しては,上記比率の二乗と時間の積
また,これらの制限値は,回転子の冷却方式や発電機容量により,以下のよ うな傾向で定められている。
・間接冷却方式より直接冷却方式の方が小さい。
・直接冷却方式の場合,発電機容量の大きい方が小さくなる。
・短時間運転においては,空冷式より水素冷却式の方が小さい。
タービン発電機に要求される逆相電流の制限値は,JEC(2130-2000)において次のように規定されている。
・連続運転に対しては,定格電流に対する一定の比率
・故障状態での短時間運転に対しては,上記比率の二乗と時間の積
また,これらの制限値は,回転子の冷却方式や発電機容量により,以下のよ うな傾向で定められている。
・間接冷却方式より直接冷却方式の方が小さい。
・直接冷却方式の場合,発電機容量の大きい方が小さくなる。
・短時間運転においては,空冷式より水素冷却式の方が小さい。
連続運転の制限値は不平衡負荷、あるいは高調波負荷をとる場合に問題となる値であり、
短時間運転の制限値は系統での短絡事故の場合のように、大きな事故電流が短時間流れるときに問題となる値である。
短時間の場合は大きな事故電流による回転子導体の温度上昇が大きく、熱放散が期待できない。
これに対し、連続の場合は温度上昇が短時間の場合より小さく、冷媒への熱放散があるため、
温度上昇としては短時間の場合に比べ過酷とはならない。
直接冷却方式の場合、発電機容量が大きい方が制限値が小さくなるが、
容量が大きいほど制限値も大きくなるのでは?と思ったのですが、
発電機容量が大きくなるほど、温度的に余裕がなくなる傾向にあることから、
回転子の加熱耐力に対する制限値は小さくなるようです。
また、直接冷却方式の場合は、固定子の電気装荷が著しく大きくなるため、回転子表面での渦電流損密度が大きくなり、
間接冷却方式より制限値が小さくなるようです。
それではまた次回。