今日は平成21年度電験一種二次試験、タービン発電機の逆相電流に関する問題の勉強をしました。
問題内容と電気主任技術者試験センターの標準解答(抜粋)は以下の通りとなります。
問 題
タービン発電機に逆相電流が流れた場合,回転子に発生する現象とその影響並びに対策について述べよ。
解 答
(現象)
タービン発電機に流れる逆相電流は,発電機内部に回転子と逆方向に回転する磁界を作り,これが界磁巻線に鎖交すると回転子に2 倍周波数の電圧が誘起される。このため回転子には同周波数の渦電流(制動電流)が発生する。この電流は,表皮効果により主に回転子のくさびと保持環の間を流れる。
くさびと保持環の接触部などは接触抵抗が大きいため,この部分を通る渦電流によって過熱される。
(影響)
この結果,
・くさびがなまされてせん断破壊を起こす。
・保持環が熱膨張し,焼きばめ部分があまくなってアークが発生し,材料を損傷する。
などの影響を与える。
(対策)
そこで,
・回転子に制動巻線を設け,制動分電流を流す。
・くさびに特殊耐熱材を用いる。
・発電機に逆相電流リレーを設け,警報の発報や発電機の停止を行う。
などの対策が採られる。
タービン発電機に流れる逆相電流は,発電機内部に回転子と逆方向に回転する磁界を作り,これが界磁巻線に鎖交すると回転子に2 倍周波数の電圧が誘起される。このため回転子には同周波数の渦電流(制動電流)が発生する。この電流は,表皮効果により主に回転子のくさびと保持環の間を流れる。
くさびと保持環の接触部などは接触抵抗が大きいため,この部分を通る渦電流によって過熱される。
(影響)
この結果,
・くさびがなまされてせん断破壊を起こす。
・保持環が熱膨張し,焼きばめ部分があまくなってアークが発生し,材料を損傷する。
などの影響を与える。
(対策)
そこで,
・回転子に制動巻線を設け,制動分電流を流す。
・くさびに特殊耐熱材を用いる。
・発電機に逆相電流リレーを設け,警報の発報や発電機の停止を行う。
などの対策が採られる。
私が一番難解と感じる内容は、現象です。
まず、逆相電流が難しい...
負荷電流(電機子電流)とは異なる電流?と混乱してしまいませんか。
三相交流においては、各相(a相、b相、c相)に電流が流れ、正回転成分(正相分)、逆回転成分(逆相文)、その2つのどちらでもない同相成分(零相分)が混在していると考える。
詳細説明はできません...
平衡負荷の場合、正相分のみを考えるが、不平衡負荷の場合は零相・逆相分も考慮する必要がある。
つまり、逆相電流は負荷電流の逆回転成分(逆相電流)であり制動力が働くこととなる。
次に、回転子に2倍周波数の電圧が誘起され渦電流(制動電流)が発生する点について、
逆相電流といってもいろんなパターン(上手く表現できません)があると思いますが、どんな場合でも2倍周波数の電圧が誘起されるのでしょうか。
ネットで見つけた電気学会誌で一つ例を見つけたのは、
各相電圧及び力率が等しくかつ各相の位相差が120°ずつで、電流の値だけが異なる(Ia≠Ib=Ic)場合の電力が
2倍周波数で振動するというものです。
Ia≠Ib≠Icの場合も電流の値が異なるだけですので、2倍周波数で振動するということですね。
なお、渦電流を制動電流と呼ぶのは、上記の通り逆相電流により制動力が働くことから、そう呼ぶのでしょうか。
ちなみに、水車発電機の場合も同様に逆相電流による影響を受けるが、タービン発電機の場合ほど過酷ではないそうです。
その理由は構造(突極形と円筒形)の違いでしょうか。
勉強していると次から次へと追究したい内容が出てきますが、現象については、一旦解答内容を覚えておく程度で良いかもしれません。
試験合格後にいくらでも追究は可能だと思いますので。
↓タービン発電機の逆相電流について書かれています。
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